それは月へと向かう列車「ムーントレイン」全機種にも対応した手帳型スマホケース

ある日届いた封筒に、その切符は入っていた。

「次の満月の日？　三番街、狼カフェ裏の広場、夜半過ぎ。月へと向かう・・・ムーントレイン!?」

切符をよくよく見てみるが、古風ながらもそこらの列車の切符よりもよほど作りがしっかりしている。

手の込んだいたずら。

そう考えながらも、満月の日、その夜に、指定された場所へと行ってみる。

するとどうだろう。

いつも何もないただの広場は無数のランプで埋め尽くされ、そのなかほどには線路が敷かれていた。

なによりも、その線路。

途中から角度をつけ、遙か天に向かって伸びている。

夢でも見ているのか？

そうおもいながらも、線路にちかづくと。

この広場の表にある狼カフェ入り口の置物に似た狼が、車掌のようなマントを羽織ってそこにたたずんでいた。

泡を食らってマジマジと見つめると。

その狼が遠吠えをした。

遠くから響く汽笛の音。

自分の耳をうたがいながらも、音が聞こえた方向をみると。

いまはもうめったに見れない蒸気機関車がその広場に到着した。

「は・・・ははっ」

自分の口から変な笑い声がでてしまう。が、今までの人生でも初めてと思うくらいに心が高鳴った。

列車の進行方向に続く線路を見る。

この先、目指すは星の海。

僕は理解した。

唐突に訪れた、子供の頃の夢をかなえる時。

それが今なんだと。

仁子が描く新たなる童話「ムーントレイン」は全機種にも対応した手帳型スマホケースです。

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